仰臥から座位に移る時の疼痛は未だ残っています。患者さんの言い方では凡そ以前に比べると痛みは半分であるとのことです。便秘も良くなり、トイレの便座に三十分位座っていても腰の痛みが出ないということなので、腰部の治療は、現在行っている治療法で良いと思いますが、他に麻痺側の足にシビレと痛みが有るという(股関節から膝にかけて)ことなので患部全体に散鍼を行うと痛みは楽に為るけれどシビレが残る
シビレの特に強く感じる処には刺絡を行い様子をみることにしました。この患者さんの麻痺側の腕は自力では動きませんが、肩関節・肘関節共に硬縮は無く、指だけが硬縮していたので、頸・肩・肘・手首・と取穴したら、指が開くことが出来る様に為ったのには、此方も驚きました。しかし以前動いていた右手のほうは、麻痺している足と同じように痛みとシビレが有ると謂うことなので、この患者さんとのお付き合いは、永く続くかなと思っています。治療をしながら、患者さんやご家族の方と話をしていても、この患者さんは、何か人を惹きつける魅力があるのです。同居されているお兄さん夫婦も良く介護されているのが理解できます。患者さんが旨く説明出来ない処はお兄さんが日頃話をしながら聞き出して、私に話してくださるので非常に参考になります。脳性麻痺が治る訳では有りませんが、患者さんが一日も早く以前の様な生活に戻れる様に、治療をしたいと思いです。