鍼を打って治療していると書いていますが、この唖門というツボは失語症にだけ効くのではないのです。パソコンとか読書等の疲労から来る
眼精疲労にも、私は使用しています。天柱・上天柱・風池・其の他肩背部のツボを使用しますが、唖門のツボから1センチ以内深さで、左右の眼球に向けて鍼を打ちますと、眼底部に鍼の響きが伝わります。患者さんに、鍼の響きを確認しながら打つのが大事。それから、後頭部が異常に緊張していたり、或は、ブヨブヨしていて頭痛や頭重を訴える患者さんの場合は、上天柱からの刺絡を行っています。
鍼のツボには、禁鍼穴・禁灸穴と在りますが、遣いようによっては、大いに効果の出るツボなのです。私は禁という字は、駄目と謂う事ではなく、心してという意味と解釈しています。